ベンチャーキャピタルから要求される資料
投資の審査のためにベンチャーキャピタル(以下VC)から要求される資料の話です。通常は以下のものが要求されます。
@登記簿謄本
A定款
B直近3事業年度分の決算書
C直近3事業年度分の法人税申告書
D直近の月次試算表
E株主名簿
F事業計画書
G資金繰り表
H資本政策
I会社案内、パンフレット
J雑誌や新聞に掲載された記事
K重要な契約書
L(あれば)監査法人等のショートレビュー
こんなものでしょうか。この中で、特に重要なのがF事業計画書、H資本政策です。VCはF事業計画書から、ビジネスの将来性や先見性、確度を見ようとしますので、これがお粗末ですと次には決して進みませんので、ご注意ください。一方で、VCである以上、安くお金を入れて、高く売るのが商売ですから、その株式の価格に直結する資本政策もとても重要です。この資本政策の中で、過去の履歴(発行済株式数や誰が、どのタイミングで、いくらで出資したのか、ストックオプションは誰に付与されているのか)を知ることができます。
事業計画に基づく将来予測と資本政策のあり方が、相互にリンクして将来の株価を決定してきます。あとの資料は基本的にはこれらを補足し、その確かさを裏付ける資料とも言えます。
ちなみのショートレビューとは、会計士が会社をチェックして、企業会計基準に照らすと、こうした会計処理が望ましいとか、引当金をきちんと積まなければならないとか、公開するまでには役員と会社間の取引を清算しておけだとかということを記載してあるものです。これにより、公開するに当たって、クリアしなければならない会計上、制度上の課題がある程度明確になります。
もし、VCから資金調達をお考えの方がいらっしゃればショートレビューの実施等のお手伝いをさせていただきますので、月岡公認会計士事務所http://tsukioka-cpa.com/までご連絡ください。