VCいれるなら何社くらいが適切か?
ベンチャーキャピタル(以下VC)を複数いれるのか、それとも少数がいいのか、いくつがいいのかということについてのお話です。
結論から言えば、ケースバイケース、どちらも一長一短です。
複数いれることも良さは、VCにはある程度、得意不得意の分野があります。それはファンドの規模に基づくものであったり、投資先の会社のステージについてであったり、出自(証券系、銀行系、保険系、事業会社系、独立系など)に基づくものであったりするわけですが、これらをよく把握して、それぞれのVCの特徴を生かして、バランスよく入ってもらえれば、上手くすると様々な場面で、それぞれのVCが協力して、手助けをしてくれる可能性があります。しかし、この欠点は、様々なVCと交渉しなければならないので、時間がかかりますし、煩雑です。このVCとの交渉に手間取り、本格的なビジネスに手がつけられなくて、うんざりしたり、非常に焦ったりする場合もあるでしょう。もちろん、出資後も目を光らせた株主が複数いますので、いろいろと気を使いますし、株主管理が面倒です。
一方で、一つのVCが必要な投資額をすべて出す場合もあります。この場合のメリットは、投資交渉の手間が少なくて良いということです。投資後の管理コストもそれほどかかりません。この場合のデメリットは、その突出したVCの影響力が大変強いと言うことです。また事業を行う上でも、事業系VCの場合はその色が強すぎて、事業拡大がしづらくなる可能性もあります。さらに、新たに資金調達をしようとする場合、このVCが増資に応じてくれないと、他の新たなVCに資金を入れてもらおうとしても、何かあるのではと疑心暗鬼で応じてもらいにくいということもあります。
このようにどちらが絶対的に良いとはいえないと思います。絶対的に望ましいVCの数と言うのも存在しません。その会社の状況や、VCの特徴、担当するキャピタリストとの相性を踏まえて、よく考えて決断してください。