国民生活金融公庫A
国民生活金融公庫のお話の続きです。創業者が国金で、創業資金を借りるときに、開業資金の1/2を自己資金として用意してくださいと言われます。自己資金ですから、親族からの借入れなどはこれに含めてはいけません。そもそも、これが開業における一つのハードルとなっているのは事実です。なかなか、創業資金の1/2を自己資金で集められないのです。
ただし、この1/2という原則から決して逸脱しないのかといえば、必ずしもそうではありません。実際に1/2に無くても、借りられた人はいます。その際に重要なのは、その経営者の熱意や綿密な事業計画や、連帯保証人などがそろっているかどうか、つまり国金が融資をした場合にきちんと回収できるという確証が得られるかどうかです。連帯保証人の保証能力が非常に高ければ、かなり融資を受ける可能性は高くなります。
もちろん、事業のリスクという点から見れば、借入れが増えればその分、将来の返済額が大きくなりますので、倒産リスクが増大します。その意味において、1/2自己資金というのは、必要なのかもしれません。
しかし、どうしても少ない自己資金で開業したい人は、その熱意を持って、交渉して見るのも一つの手です。一度であきらめずに、何度も交渉することが大事です。ただし、あらかじめ1/2が貸し出し条件となっている「新創業融資制度」なのは、無理ですので、ご注意ください。
また、国民生活金融公庫に融資の申請する時期はいつがいいのかというお話ですが、普通に考えれば当たり前のことだと思うかもしれませんが、開業前がベストです。融資を申請される国金の立場からすれば、開業後数ヶ月して資金繰りが苦しくなってから申請されるのと、将来実行される予定の夢のあるビジネスプランを見せられるのでは、まったく違う印象でしょう。開業前のニュートラルな状態で、開業資金を融資してもらいましょう。自己資金のみで絶対大丈夫と思っていても、ビジネスは予定通りに進まないのが通常です。自己資金が乏しく、ぎりぎりだと思われる方は、保険の意味も兼ねて融資を考慮してください。
それと、もし融資に断られたとしても決してあきらめないでください。融資がおりなかった場合、6ヶ月間は申請できない、申請しても無駄、ということも聞いたりしますが、必ずしもそうでもありません。どこがダメなのか、なぜダメなのか、どうすれば良いのかをしつこく聞いて、それとともにこのビジネスの将来性とこれにかける熱意を語ってください。