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いろいろな株式を使って資金調達

色々な株式についてのお話です。

会社法の改正を受けまして、株式にもいくつか面白い変化がでてきました。例えば、株主ごとに異なる定めをすることができるというものです。通常は、株主はその有する株式の内容と数に応じて平等に取り扱わなくてはならない(株主平等の原則)のですが、非公開会社に限り、この原則と異なった定めを定款に設けることができます。@剰余金の配当を受ける権利、A残余財産の分配を受ける権利、B株主総会における議決権の3つについては、株主ごとに異なる定めをおくことができるのです(ただし、@とAの両方すべてを奪うことはできない)。これを利用すれば、株主Aには剰余金の配当を受ける権利を多くして、残余財産分配請求権については、少なくする。株主Bは議決権に制限をつけるなどとして、株主に応じて自由に設計するというものです。
こうした株主ごとによる定めを設けるのではなくて、そもそも残余財産の分配について優先権をつけたり、重要事項の拒否権を持った株式を発行することができることになりました。これらは種類株式と呼ばれ、会社法上は9種類あります。この種類とは@剰余金の配当 A残余財産の分配 B議決権の制限 C譲渡制限 D取得請求権付株式(株主が会社に対して自分の株式を取得するよう請求できる株式) E取得条項付株式(株主の同意なしに、一定の字湯が生じたことに条件に強制的に会社が株主の所有する株式を取得できる株式) F全部取得条項付株式(株主総会の決議があれば、その株式のすべてを会社が取得できる株式) G拒否権 H取締役・監査役選解任権です。

実際に、ベンチャーキャピタルなどに対して発行している種類株式は、@剰余金の配当に対しては優先的に行う、A残余財産の分配についても優先的に行う、Bだから議決権は制限させてもらいます、という株式です。資金調達の際に一番良く出てくるパターンでしょう。

今、これらの種類株式と先の株主ごとの株式をミックスさせて、思い通りの事業承継や危機管理を行いましょうした本が数冊出てきています。確かにこれらを十分に駆使すればいろいろできる様にも思えますが、実際には中小企業ではそれほど種類株式等が利用されてはいないと思います。その一番のネックは評価の問題です。これに対する税務上の評価の仕方が明確に定まっていないというのが最大の欠点です。確かに国税庁が種類株式を第1類型から第3類型に分類して、一応の評価の仕方を明示しましたが、実際にはこの3類型に当てはまらない種類株式等が無数にあります。しかし、国税庁はこれ以上踏み込むと泥沼と分かっていると思いますので、他についてはよっぽどのことがない限り評価方法を明示しないでしょう。そこが一番のリスクだと思います。しかし、一方でマーケットにおける相場というのも徐々に定着してきているようにも思えますので、それを踏まえれば大きな問題は起こらないのかもしれません。しかし、マーケットがないような特殊な場合にはどうしたらよいのか、私にも分かりません。

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月岡公認会計士事務所

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