ハネ資金
ハネ資金についてのお話です。利益が出ているのに、現金がなくなってしまう会社さんがありますが、そうした会社は稼ぎ出す利益よりも、借入金の返済が大きく、収支を圧迫している状況となっています。
ハネ資金とは、借金を返済するために、新たに必要とされる資金のことです。本来であるならば、借入金の元本は、減価償却費+当期純利益で返済するのが基本ですが、元本の返済額が減価償却費+当期純利益を上回る場合には、新たに借金をしなくては現預金が減少してしまい、営業が継続できません。これを補うための資金がハネ資金です。
こうした状態が一時的なものであり、すぐに利益が大きく計上され収支の状況が改善するならば、良いのですがそうではなく収支の悪化が恒常的になった場合はかなり危険です。そもそも金融機関は、こうした借入金の返済のための新たな借入金については消極的です。そのため、担保資産が多大にあるなどの特別な状況を除き、ある一定の段階で融資が通らなくなります。
この様な状況で、売却できる資産がある内はまだ良いのですが、売却資産がなくなった場合は、金融機関に対してリスケジュールをお願いするしかありません。リスケジュールとは毎月の返済スケジュールを組みなおすことを言います。金融期間はなかなかすぐに応じてはくれませんが、資金不足である以上、最悪の状況になる前に行うことはリスケしかありません。資金不足になりますと、非常に高金利の融資に手を出してしまう方もいらっしゃいますが、そうなりますとリスケそのものが難しく、再建は極めて困難です。追い詰められてもそうした融資にはどうか手を出さないでください。