農林漁業金融公庫
前回、平成20年10月1日に国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫及び国際協力銀行(国際金融等業務)は統合し、株式会社日本政策金融公庫となるということで、国民生活金融公庫に次いで、中小企業金融公庫についてお話しましたが、今回は農林漁業金融公庫についてです。
農林公庫は、全額政府出資の第一次産業、食品産業向けの政府系金融機関です。農林水産業の振興、農山漁村の活性化などのために、農林水産業や食品産業への融資などを行っています。一般的に、農業、林業のイメージが強いと思いますが、食品製造業や食品流通業にも融資をしています。
農林公庫の融資の特徴は、以下の通りです。
(1)資金の返済期間を長期に設定できるので、投下資本の回収に長期間を要する農林漁業投資に適切であること
(2)低利で、かつ、固定金利ですので、天候に左右されやすく、他産業に比べ収益性の低い農林漁業投資にも安心であること
(3)融資対象物件のほか、民間金融機関では担保として評価されにくい農地・山林・漁船などを担保に融資していること
農林公庫の融資制度は「農業融資」「林業融資」「漁業融資」「食品産業融資」が主で、それ以外にも「ベンチャー融資(あくまでも、農林水産業の分野)」「海外展開支援融資(農産物を海外で販売するための融資)」などもあります。
その「農業融資」の中の「スーパーL資金」とは、認定農業者(農業改善計画を作成して、市町村長から認定を受けた個人又は法人)が利用できる制度で、個人経営の方は3億円、法人は10億円まで融資可能で、融資期間は最長で25年、資金の使い道は設備資金だけでなく長期の運転資金にも利用できる制度です。
また、「食品産業融資」とは、食品製造業(畜産食料品、冷凍食品、豆腐製造等)、食品流通業(卸売業、小売業、スーパー等)を対象にした融資です。各資金によって融資限度額は異なりますが、投資額の20%〜80%以内で、融資期間は15年以内です。