ベンチャーキャピタルのタイプ
ベンチャーキャピタル(以下VC)のタイプについてお話したいと思います。
一般的にVCは金融系(証券系、銀行系、保険系)、商社系、事業会社系、独立系、政府系、外資系と分類されます。そのうち、運用金額の大きいVCを例示しますと、
金融系というのは証券系、銀行系、保険系に分類されますが、
証券系は、ジャフコ(野村証券系)、エヌアイエフSMBCベンチャーズ(大和証券系)、日興アントファクトリーなどです。
銀行系は、三菱UFJキャピタル、みずほキャピタル、りそなキャピタルなどです。
保険系は、東京海上キャピタル、安田企業投資、ニッセイキャピタル、明治キャピタルなどです。
商社系としましては、三井ベンチャーズ、ミレニアベンチャーパートナーズ(三菱商事系)、伊藤忠テクノロジーベンチャーズなどです。
事業会社系としましては、SBIホールディングズ、オリックスキャピタル、インテルキャピタルなどです。
独立系としましては、日本アジア投資、日本ベンチャーキャピタル、グロービズ・キャピタル・パートナーズなどです。
政府系としましては、東京中小企業投資育成、大阪中小企業投資育成、新規事業投資(NBI)などです。
外資系としましては、インベスター・グロース・キャピタル・アジア、ウォーバーグ・ピンカス・ジャパン・リミテッド、UBSキャピタルジャパンなどです。
一般的に金融系VCは基本的にグロース、レイター等の成長段階を投資対象としているとされます。一方で、独立系VCは、スターアップ期や、アーリー期に積極的に投資すると言われます。
しかし、実際にはそれほど明確な区分があるようには思えません。
確かに若干そのような傾向は見られますが、それよりも各VCの各ファンドのポートフォリオの中で、アーリーは今期多めに投資したので、レイターの投資先を探している、というような個別の状況がより、大きな意味を持つと思います。
ただし、独立系のVCの中には、投資先の事業を特定の分野に絞っているところもありますので、注意してください。
また、金融系のVCは横並びの傾向が強く、他のVCの投資動向を横目で見ながら投資します。その点、事業系や独立系の方が思い切りが良く、独占的に大きな金額の投資を行う場合もあります。独占的な投資を行うVCは、特に投資先を積極的に支援します(ただし、支援の対価として、コンサルティング料を投資先からとるVCもありますので、ご注意ください)。横並び的な投資を行う場合は、あまり口を出すことをしませんし、支援も積極的には行いません(しかし、まったく口を出さないことはありません)。結局は経営者ご自身が、VCとどのような付き合いを望むかです。
しかし、VCという会社としての投資先に対する関与の仕方よりも、一番重要なのは、(実際に経営者ご自身と接触する)キャピタリストの能力や人間性、相性だと思います。