みなさまの資金調達を応援します。あきらめない熱意が一番大事です。その熱意を事業計画に込めてください。そして、大いに語ってください。きっと上手くいきます。

ベンチャーキャピタルの本質

ベンチャーキャピタル(VC)についてのお話もしておこうと思います。

VCとは、プロの投資家である機関投資家や個人などからお金を集めて、お金をプールするファンド(通常は投資事業有限責任組合という、特別な組合です)をつくり、そのファンドのお金をベンチャー企業に出資して、運用する会社のことです。彼らはファンドの総額の年間1〜3%程度の管理報酬と投資が上手くいった(出資した会社の株式が高く売れた)場合の成功報酬を得ることを目的としています。

彼らの事業のポイントは、@お金を集めること、A有望な投資先を見つけること、B安く出資すること、C高く売ること、です。

彼らは人のお金を預って、運用しているわけですから、必ずその株式を売却します。と申しますのは、VCが作成するファンドには期限が契約上設けられていますので、その期限到来日には、そのファンドが抱えている有価証券をすべて換金して、残金を分配しなくてはならないからです。従いまして、VCが安定株主には到底なりえません。

もちろん、安定株主になりえないVCから資金を調達するのに抵抗が強い経営者の方も多いと思います。しかし、彼ら以外に、多額の資金を必要としているベンチャー企業に資金を提供してくれるひとは通常ありません。ベンチャー企業が必要としている資金は、大きな目的は時間を買うものです。ベンチャー企業のビジネスモデルにも様々ありますが、通常は今、このタイミングで行うからこそ、大きく成長することが可能となるモデルというのが多いのも事実です。自社でこつこつと数年かけて、内部留保で投資資金をためたり、借入金を行い(どこかがベンチャー企業に多額のお金を貸してくれるという困難な前提があってですが)、それを返済しながら、投資を行うのでは間に合わないのです。自社が大きくなる前に、市場が小さくなったり、別の技術に替わっていったりするのです。この時間を買い、ビジネスを拡大していく原資となるのが、VCからの出資なのです。

もちろん、@時間を買う以外にも、A信用力が高まるという効果もあります。これは出資してくれたVCにもよりますが、そのVCのブランドによっては、安心感を持つ取引先がでてきます。また、どのVCであろうと出資を受けると資本金が増加しますので、これによる安心感を与えることもできます。BVCのサポートが得られることもメリットです。これはVCにもよりますが、VC自身が多額のお金を出資して、確実にこの会社を上場させたいと強く思う場合には、様々なアドバイスや取引先の紹介などの手助けをしてくれます。ただし、これはケースバイケースです。

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